ながらく男爵薯とメークイーンの時代が続きましたが、平成に入ったころから品種改良が進み、甘味や香り、色など様々な品種を楽しめるようになりました。
品種の特徴に合わせて、好みのジャガイモ選びを楽しみましょう!
前半は品種の特徴まとめ、後半は売れ筋&価格ランキングです。
ジャガイモ品種の種類と特性
食感、味、カラーなど特徴のあるジャガイモ品種たちをご紹介します。
ほくほくのジャガイモ
”粉質”タイプのジャガイモです。
- コロッケ
- ポテトサラダ
など、ホクホクの食感を楽しみたい方におすすめ。
男爵薯
全国に普及して100年以上の超ロングセラー品種!
栽培面積は1万haを超え、いまだにトップを走り続けています。
日本にジャガイモを普及させた、川田龍吉男爵の名前に由来。
トヨシロ
表面のでこぼこが少なく、きれいな形をしています。
そのため、ポテトチップスなど加工向けによく使われる品種です。
いつも食べているお菓子の原料は、トヨシロかも?
ポテトサラダにも使えます。
しっとりのジャガイモ
火を通しても崩れにくい、しっとりした食感のジャガイモです。
- カレー
- おでん
- ジャーマンポテト
といった料理がきれいに仕上がります。
メークイーン
男爵薯と同じく、日本で100年以上の歴史を持つ品種です。
男爵薯と違って表面が滑らかなので、ピーラーでさっと皮をむきやすいのがうれしいですね。
イギリス生まれで、名前の由来は「春の女王」。
とうや
1992年、北海道で誕生した品種です。
名前の由来は北海道の湖「洞爺湖」から。
イモが大きい、表面が滑らかで皮をむきやすい、切った後の変色が少ないなど、品質が高いことで知られています。
シャキシャキした食感で、炒め物向き!
ほくほく、ねっとり、しゃきしゃきといったジャガイモの食感には、「デンプン価」が関わっています。
デンプン価とはジャガイモに含まれるデンプンの割合のことを指していて、目安は以下の通りです。
・11~12%:ねっとり、煮崩れが少ない
・13~14%:適度な硬さで肉じゃが向き
・15~16%:ほくほくする、こふきいも向き
味と香りが濃いジャガイモ
ジャガイモ特有の香りや甘みが楽しめるタイプです。
- じゃがバター
- こふきいも
などジャガイモそのものの味を楽しめるシンプルな料理におすすめ。
キタアカリ
男爵薯を親に持つキタアカリは親譲りのほくほくタイプで、食感もよく似ています。
甘味は男爵薯より強くやや黄色みが買っていることから、栗イモと呼ばれることも。
男爵薯より煮崩れしやすいので、調理の仕方には注意してくださいね。
インカのめざめ
甘みとほくほく感、そしてナッツとも栗ともカボチャとも評される独特の香りをもちます。
ジャガイモ原産地のアンデス地方で珍重され高値で取引される在来品種を日本向けに改良したジャガイモです。
カロテノイドを多く含むので、断面は濃い黄色に染まっています。
ジャガイモは2~4℃の低温で貯蔵すると甘みが増します。
この現象は低温糖化と呼ばれており、インカのめざめはとくに甘くなりやすい品種です。
その糖度は6~8度になることも。
なお、糖化が進むと油で揚げたときに焦げやすくなりますので注意してください。
ポテトチップスやフライドポテトを作るときは、トヨシロなど低温糖化しにくい品種を使うとよいでしょう。
カラーのジャガイモ
割ってびっくり!
中が紫やピンクなど色鮮やかなジャガイモ品種です。
- ポテトサラダ
- ポタージュスープ
- ポテトチップス
色味を生かした料理にすれば、パーティーなどイベントごとで活躍すること間違いなし!
シャドークイーン
濃い紫色が美しい品種です。
これまでも紫色のジャガイモ品種はありましたが、シャドークインの紫の濃さは一味違います。
その色素であるアントシアン含有量は、従来品種の約3倍!
加熱しても色がしっかり残るので、お菓子作りにどうぞ。
ノーザンルビー
やさしい桜色の品種です。
インカのめざめ、シャドークイーンなどといっしょにポテトチップスやフレンチフライにすれば、たった1品で食卓を華やかにしてくれます。
春のお祝い事にもいいですね。
食感はしっとり系で、メークイーンに似ています。
グラウンドペチカ
別名デストロイヤー。覆面レスラーを思わせる強烈なビジュアルです。
その見た目とは裏腹に、中身は濃い黄色でほくほく、甘みが強い品種。
皮つきで料理すれば、紫と黄色の両方を楽しむことができます。
フレンチフライやシチューにどうぞ!
紫やピンクの色素はアントシアン、黄色の色素はカロテノイドです。
アントシアンは水溶性の色素なので、お味噌汁や鍋に入れると溶け出てしまい、料理の色を損ねるので気を付けましょう。
またジャガイモは光に当たると緑色に変わって毒素を作るため、食べられなくなります。
カラーの品種は緑に変わったことが分かりにくいため、日に当てないよう注意が必要です。
ジャガイモ品種の売れ筋ランキング
大手ECサイト3社のジャガイモ売れ筋ランキングを調査しました。
約80商品のデータから、売れ筋品種6選をご紹介します。
※2022年12月10日、Fieldman Research調べです。ランキングには変動があります。
順位 | 品種 | 特徴 |
---|---|---|
1位 | メークイーン | しっとり 定番 |
2位 | 男爵薯 | ほくほく 定番 |
3位 | インカのめざめ | ほくほく 甘味強い 香りよし |
4位 | キタアカリ | ほくほく 甘味強い |
5位 | グラウンドペチカ | ほくほく 甘味強い インパクト |
6位 | とうや | シャキシャキ 高品質 |
グラウンドペチカなど流通量の少ない品種は、ECサイトによっては取り扱いが少なく、ランクをやや落としています。
一方、上位に入ったのはやはり定番の男爵薯とメークイーン!
知名度の高さと生産量の多さから、ECサイトでも多くの取り扱われています。
また、おいしさが際立つインカのめざめが3位にランクイン。
新しい品種ながら存在感を示しています。
お買い得なジャガイモ品種ランキング!
同じく、大手ECサイト3社約80点を調査。
1キロ当たりの平均価格を算出し、お買い得なジャガイモ品種をランキングにしました。
順位 | 品種 | 平均価格 (1kgあたり) |
---|---|---|
1位 | とうや | 370円 |
1位 | キタアカリ | 370円 |
3位 | メークイーン | 400円 |
4位 | 男爵薯 | 440円 |
5位 | インカのめざめ | 680円 |
6位 | グラウンドペチカ | 770円 |
お得感があるジャガイモ品種は、とうやとキタアカリという結果に。
とくにとうやは早生でサイズの大きい多収品種なので、お手ごろな価格で流通しているものと思われます。
反対にインカのめざめやグラウンドペチカは、特徴のある食味や見た目で大人気!
ある程度高価格でも購入されているようです。
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ここまでジャガイモ品種の特徴と売れ筋、価格ランキングを見てきました。
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それでは、楽しいジャガイモライフを!
※参考文献
竹下大学. “すごい野菜図鑑”. 株式会社エクスナレッジ. 2022年7月12日
田宮誠司. “ばれいしょの需要変化と品種の動向”. 砂糖類・でん粉情報. 2016年10月
小宮山 誠一. “ジャガイモのデンプン含量が調理特性に及ぼす影響”. 日本調理科学会誌. 2002年
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