「TY千果」はタキイ種苗が育成したミニトマト品種です。
「TY千果」特性の概要は以下の通り。
- 裂果に強く、可販果率が高い
- 果実サイズが揃い、収量安定
- おいしい!
割れるミニトマトが多くて収量が少ない、果実サイズの揃いが悪くてくず果が多いといったお悩みを解決してくれるかも!
その実力や評判について調べてみました。
ミニトマト品種「TY千果」の特徴
適作型 | 周年 |
秀品率 | 耐裂果性に優れ、高い可販果率 |
品質 | 食味に優れ、つやのある果色 |
収量 | 早生種で安定した収量性 |
耐病性 | 黄化葉巻病ほか |
「TY千果」の特徴①:裂果に強く、可販果率が高い
ミニトマトの栽培は裂果との戦いです。
樹勢が強い、水をやりすぎた、曇天明けの快晴、湿度の変化…
裂果の要因は様々ですが、いずれにせよ裂果した果実を出荷することはできません。
場合によっては収穫の半分近くが割れてしまって出荷できないこともあり、可販果収量を伸ばすためには裂果対策が必須です。
そしてもう一つミニトマトの品質に関わる特性として、へたの強さがあります。
収穫した後の調整時にへたが取れてしまったりへたがしなびてしまったりすると等級を落とされてしまうことも。
「TY千果」はこうした裂果や見た目の美しさにこだわって選抜された品種です。
収穫した果実を無駄なく出荷できるため、収益の向上を狙うことができます。
「TY千果」の特徴②:果実サイズが揃い、収量安定
ミニトマトの収量は花数で決まります。
基本的には果房が長い、ダブル果房など花数が多い品種が好まれますが、注意したいのはその揃いと安定性。
花数が多い品種にありがちなのは、以下のような欠点です。
- 時期によっては花数が増えすぎ、収量が安定しない
- 果房が長すぎて先端の果実のサイズが販売できないほど小さくなる(クズ果)。
一方「TY千果」はそれほど花数の多い品種ではありませんが、一年を通して花数が比較的安定します。
また果房の根元と先端の果実サイズがよく揃うので、クズ果が少なく廃棄が少なくて済みます。
その結果安定して出荷を続けることができ、最終的な総収量を多く稼ぐことができるのです。
「TY千果」の特徴③:おいしい!
タキイ種苗の千果シリーズの売りは、なんといってもそのおいしさです。
糖度の高さはもちろんのこと、甘さと酸味とコクのバランスが絶妙!
初代「千果」以来、バージョンアップでたくさんの兄弟品種が生まれていますが、そのおいしさはずっと受け継がれています。
タキイ種苗は「ファイトリッチシリーズ」というブランドを立ち上げ、機能性成分を多く含む品種の開発を行っています。
「TY千果」もその一つ。リコピンを多く含むほか、GABAを基準値以上含有するため、農林水産省の機能性食品制度を利用して有利販売につなげることができます。
ミニトマト品種「TY千果」に対するユーザーの反応
それでは、「TY千果」のユーザーの方々の反応を聞いてみましょう。
産地の声
「TY千果は収量もまずまずで、玉の大きさも問題ない。「千果」シリーズは味の良さが気に入っているので、今後もメインで使い続けたいですね
引用:2019タキイ最前線 春種特集号 JA愛知みなみトマト部会
裂果のリスクのある時は早めに収穫しなければなりません。けれど、劣化しにくい「TY千果」なら完熟に近づけてから収穫できます
引用:タキイ最前線 産地ルポ JA香川
耐裂果、収量、味、どれも狙い通りの評価ですね。
ネットの反応
2017年の発表以来、「TY千果」はミニトマト品種の定番として定着してきた感があります。
中にはこんな反応も…
CFとは「CF千果」のこと。千果シリーズの中でTY千果より前に出た品種です。
「TY千果」は黄化葉巻病(TYLCV)の耐病性や耐裂果性など基本性能がレベルアップしましたが、味は「CF千果」のほうが上だったとの評価です…
長年「CF千果」を作り続けてきた農家さんにとっては、味が少しでも変わることに抵抗を持つ方もおられるみたい。
こればっかりは作り比べてみないと分かりませんね。
まとめ:「TY千果」はロスが少なくて収量を稼げる、おいしいミニトマト!
食品ロスが社会問題となりつつある中、裂果やクズ果が少ない「TY千果」のような品種が今後も求められるでしょう。
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