元野菜ブリーダーの筆者が、家庭菜園におすすめのキュウリ品種をご紹介します。
後半にはキュウリ品種の分類や栽培マニュアルの動画ものせていますので、ぜひ最後までごらんください。
それではさっそく、おすすめランキングから!
![小林大介](https://hatakemon.com/wp-content/uploads/2023/03/hatakemon-e1678260411493.png)
- 元野菜ブリーダー(品種改良をする人)
- 機能性野菜品種の開発等を担当
- 得意なこと:野菜の栽培、市場調査
- お問い合わせはこちらからどうぞ
元ブリーダーが選ぶ!キュウリのおすすめ品種ランキング!
5位 Vシャイン
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病気に強い品種です。
病気にやられてしまって上手に作れない…という方は一度試してみましょう!
せっかくの家庭菜園、なるべく農薬は使いたくない!
という方は、病気に強いVシャインを選びましょう。
葉っぱが小さめでぴんと立っているので、見た目もスマートな品種です。
4位 あまうまサラダキュウリ「フリーダム」
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イボがなく、つるんとしたきゅうりです。
とれたてを丸かじりするならフリーダム!
白イボ品種、黒イボ品種と日本にはさまざまなタイプのキュウリがありますが、フリーダムは欧米キュウリの血が入ったイボなしつるつるタイプ。
いつものキュウリと比べて皮が薄いので、歯切れ良いパリッとした食感が魅力です。
青臭さも少なく、野菜が苦手なお子さんでも食べられるかも。
一度フリーダムを作ると、「おいしい!また来年も」とリピーターになる人が続出!
3位 四葉きゅうり
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昔ながらのいぼいぼタイプ。
漬物にするなら四葉きゅうり一択ですよ!
一般的なキュウリよりイボがたくさんあり、ゴーヤのようなしわがある品種です。
その特徴は、皮の柔らかさと味、香りの濃厚さ。
皮が柔らかいので漬物にするとつかりがよく、キュウリの味がしっかり残ります。
こだわりの漬物屋さんの中には、「四葉きゅうり以外は使わない!」という職人も。
日持ちがしないためスーパーでは手に入らない希少なキュウリです。
ぜひ家庭菜園でこの味を確かめてみてください。
2位 常勝661
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埼玉原種育成会は、キュウリの品種改良で1,2を争うトップメーカーです。安心の品種力!
プロ農家も愛用する、能力の高い品種です。
人気の秘密は、
- はじめのうちからキュウリが連続して収穫でき、ほどよく枝が伸びてくれる
- 形がきれいで、早く膨らむ
- 病気に強い
あまり手をかけなくても、どんどん実をつけてくれると評判!
1位 夏すずみ
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開発から30年の超ロングセラー品種!
家庭菜園で今なお愛される決定版品種です。
さらに病気に強くなったVR夏すずみがおすすめ。
キュウリは、親づるから子づる、孫づるとたくさんの枝が出る作物です。
枝が多いと実もたくさんなるものの、枝整理の手間がかかってしまい大変!
その点、夏すずみは枝が伸びすぎないので栽培が簡単です。
夏の暑さにも強いので、初心者の方でも安心して育てられますよ。
バッテリー式でうるさくないし、ナイロンコードだから怖くない!
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日本の伝統を味わう!キュウリの在来品種たち
日本人は平安時代からキュウリを栽培してきました。
そのためか、地方には個性豊かな在来品種がたくさん!
昔ながらのキュウリの味を体験してみましょう。
加賀太きゅうり
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ずんぐりむっくりでかわいい!
加賀野菜の一つで、500gを超えることもある大きなキュウリです。
キュウリといえばサラダや漬ものというイメージですが、こちらはなんと煮物用。
キュウリというより冬瓜に近いイメージでしょうか。
皮をむいて、スープにするとおいしいです。
大和三尺胡瓜
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長さ日本一!
奈良の伝統野菜の一つ。
酒粕の香りと独特の旨味が特徴の奈良漬けに欠かせないキュウリです。
その長さゆえ流通が難しいのですが、漬物にした時のこりこり食感は他の品種では出せない個性派!
いつものキュウリに飽きた人、育ててみて。
相模半白
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緑と白のグラデーションが渋いのよ
昭和初期に一世を風靡した、昔懐かしのキュウリ品種です。
寒い時期から雌花が咲き、たくさんとれる早生品種ということで全国に広まりました。
現代品種に近いみずみずしい肉質で、サラダによく合います。
緑の濃い部分は少し苦くて大人の味。
お酒のつまみにいいですよ。
まだまだある!ユニークなキュウリ品種たち
家庭菜園ならではの、おもしろキュウリはこちら。
霜しらず地這
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支柱がいらないから、栽培が簡単!
暑さに強く、枝がたくさん出る昔ながらのキュウリです。
そのメリットは、地ばい栽培に向いていること!
支柱を立てたりネットをかけたりしなくていいので、お金をかけずにキュウリ栽培を楽しむことができます。
台風にやられにくいほか、地面の熱で守られるので秋の終わりまで収穫を続けられますよ。
きゅう太郎
![](https://hatakemon.com/wp-content/uploads/2023/02/shoukaiwosuruhito.jpg)
全体にミニサイズなので、スペースが限られるベランダでも栽培できるところがいいですね。
ヨーロッパで人気のミニキュウリタイプ。
手のひらサイズの小さな果実が鈴なりにできるので、初心者の方でも大収穫!を味わえますよ。
葉っぱも小さめで、扱いやすい品種です。
ホワイティ25
![](https://hatakemon.com/wp-content/uploads/2023/02/yorokobuhito.jpg)
白い野菜ってめずらしい!
キュウリに白品種があるとは…!
私も今回初めて知りました。
どうやら、小さいうちは緑色で、大きくなるにつれて白に近いうすい緑に変わっていくようです。
一度つくって、家族を驚かせたいですね。
キュウリの有機栽培ならこちら!
有機栽培にチャレンジするなら、種子もこだわりの無農薬で。
実は多種多様!キュウリ品種の分類について
ふだん目にするキュウリは、実は「白イボ系」と呼ばれるタイプ。
これまでご紹介した通り、世の中には他にもさまざまなキュウリがあります。
タイプ別にまとめてみましたので、お時間のある方はどうぞ!
白イボキュウリ
![白イボきゅうり](https://hatakemon.com/wp-content/uploads/2023/03/siroibo.jpg)
いつものキュウリです。
クセのない味で食べやすく、サラダや漬物、スープなどどんな料理にも使える万能選手!
「華北系」とも呼ばれ、東アジアでは一般的です。
日本での普及は意外と新しく、明治に入ってから。
黒イボキュウリ
![黒イボキュウリ](https://hatakemon.com/wp-content/uploads/2023/03/kuroibo.jpg)
日本で古くから栽培されてきたのはこのタイプ。
暑くなると雄花ばかり咲いて実がならないので、春から初夏にかけての収穫に向きます。
「華南型」とも呼ばれ、こちらも東アジアで多く栽培されています。
イボなしキュウリ
![イボなしキュウリ](https://hatakemon.com/wp-content/uploads/2023/03/ibonasi.jpg)
ヨーロッパに多いタイプです。
イボがあると、機械で洗う時にイボがつぶれてしまい、その傷から雑菌が繁殖する原因になることがあります。
イボなしキュウリはその心配がないので、サラダやサンドイッチなどの加工向けに重宝されているのだとか。
将来、イボなしキュウリの普及が進むかもしれませんね。
ミニキュウリ
![ミニキュウリ](https://hatakemon.com/wp-content/uploads/2023/03/minikyuri.jpg)
こちらも元はヨーロッパのキュウリ。
10㎝くらいのキュウリがたくさんなります。
小さいので、丸ごとピクルスや浅漬けに使うことができると人気上昇中!
家庭菜園でキュウリを栽培してみよう!
お気に入りのキュウリ品種は見つかりましたか?
キュウリは伝統品種も多く残されているので、毎年タイプの違う品種にチャレンジできますよ。
今年の夏の家庭菜園に、ぜひキュウリを加えてみてください。
参考文献
鈴木昌子ほか. “こだわり野菜づくり品種ガイドブック”. 学研パブリッシング. 2015.3.28
成瀬宇平. “47都道府県・地野菜/伝統野菜百科”. 丸善出版. 2009.11.30
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