日々変動するナスの市場価格。変動幅とその理由について情報を集め、発信しています。天候、スーパーの意向、産地の動向によって左右される市場価格の予想は難しいですが、過去の事例を読み解けば自ずと答えが見えてくる!過去の情報と合わせてご覧ください。
※農林水産省の「青果物卸売市場調査」より作成しています。札幌市、仙台市、東京都、横浜市、金沢市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、高松市、北九州市、福岡市及び沖縄県に所在する卸売市場のデータの集計です。本ブログで示す市場価格は、2022年9月より日本農業新聞の「日農INDEX」から農林水産省の「青果物卸売市場調査」に切り替えました。
「こんなグラフが欲しい」「生産量が知りたい」など、ご要望がありましたらお問い合わせフォームからご連絡ください。
1キロ468円と平年比3割高 2024年10月5日
ナスが平年比3割高の高値を付けています。
東北・関東産の減少ペースが猛暑などの影響で例年よりも早い
引用:日本農業新聞2024年10月1日
夏秋栽培は露地がメインです。
猛暑からの曇天で樹勢が低下し、生産量を落としています。
ただし、10月中下旬からは高知県、熊本県を中心とした抑制栽培の出荷が本格化します。
平年に比べやや遅れているとのことですが、近いうちにナス価格は下落へ向かうでしょう。
1キロ415円と平年並み 2024年3月15日
日本一の冬春産地である高知県産が順調に出荷を伸ばしています。
好天となり入荷は回復基調
引用:日本農業新聞2024年3月15日
今年の3月は暖かいうえに定期的にやってくる曇天で難しい栽培管理が求められますが、新品種の導入もあり今のところ生育不良のような情報はありません。
今後のナス価格はしばらく平年並みとなりそうです。
1キロ429円と平年比でやや安値 2023年12月8日
比較的暖かい日が続き、ナスの出荷が好調です。
直近の気温上昇もあり、短ナスは安定した入荷
引用:日本農業新聞2023年12月13日
高知県産を中心とした短ナス(長卵形ナス)や熊本県産の長ナスはハイペースで出荷が進んでいます。
年内は安値傾向となりそうですが、問題は年明け。
成り疲れにより収量減少となれば、反対に高値に転じる可能性があります。
1キロ402円とほぼ平年並みも上昇中 2023年9月8日
夏が終わりに近づき、8月中旬以降ナス価格が上昇しています。
夏秋産地の露地物が終盤で、入荷量は減少傾向。大阪の青果卸は「台風13号の影響で、今後、関東産の減少ペースが速まる可能性がある」と懸念する。
引用:日本農業新聞2023年9月12日
例年、9月は夏秋栽培と冬春栽培の端境期に当たるため、高値になりやすい時期です。
今年は関東の大雨の影響が加わり、平年以上の高値となる可能性があります。
1キロ330円と平年並み 2023年8月10日
夏秋ナスの生産が転換点を迎えています。
群馬産はピーク過ぎ、他産地は増えるが総量は減少。
引用:日本農業新聞2023年8月13日
例年、お盆を過ぎるとともに夏秋ナスの生産量は徐々に減少し、それに伴って価格は上昇に向かいます。
また、ナスは果皮が柔らかく風に弱い作物です。
現在接近中の台風7号の影響も加わり、今後のナス価格は上昇に向かうものと思われます。
1キロ337円と平年並み 2023年7月25日
本格的な夏を迎え、露地ナスの生産量が増えています。
ハウス作は終盤を迎えるが、露地作が再び増える
引用:日本農業新聞2023年7月23日
8月は、5、6月と並んでナスの生産量が最も多い月の一つです。
平年通りの展開であれば、8月中旬の1キロ300円に向けて徐々に値を下げるでしょう。
1キロ376円と平年並み 2023年7月14日
冬春ナスが出荷を終え、ここ10日間ほど値を上げています。
ただし、夏秋ナスは露地作の出荷が本格化。
露地作は前進入荷が一服し、次の作型がまとまるまで落ち着いた取引続く
引用:日本農業新聞2023年7月16日
価格の上昇傾向は止まり、8月中旬の1キロ300円前後に向けて徐々に下落へ向かうでしょう。
1キロ155円と平年比1割高 2023年6月26日
ナスの市場価格が梅雨の影響を受けています。
6月上旬の大雨で岡山、高知産切り上がり早まる。後続産地も出方鈍く堅調
引用:日本農業新聞2023年6月25日
平年であれば、冬春ナスと夏秋ナスの出荷が重なり一時的に値を下げる時期ですが、今年は比較的高値をキープしています。
今後の市場価格は予想が難しく、天候に大きく左右されるでしょう。
1キロ355円と平年並み 2023年6月12日
高知県や福岡県産の冬春ナスが出荷を減らしたため、ナスの価格が平年並みに回復しました。
天候不順で入荷ペース落ち着く。販売は徐々に関東産へ移り、単価は底上げ
引用:日本農業新聞2023年6月11日
7月からは、群馬県、栃木県産を中心とする夏秋ナスのシーズンに入ります。
その関東産ナスは今のところ生育は順調とのことですので、平年比で大きく値を上げることはないでしょう。
1キロ323円と平年比1割安 2023年6月2日
5月中旬以降、ナス価格は下落傾向が続いています。
西日本産の出荷量が回復し、生産量を伸ばしています。
ハウス物がピーク。露地物も出始め潤沢な入荷
引用:日本農業新聞2023年6月4日
ただし、6月中旬からは高知県産を中心に、冬春ナスが終了に向かいます。
ナスの安値傾向は、それほど長期化しないものと思われます。
1キロ378円とほぼ平年並み 2023年5月18日
ナスの生産量は大きな増減なく推移しています。
関東産の入荷が落ち着き、減少傾向となった前週と横ばいで、相場変動小幅
引用:日本農業新聞2023年5月14日
茨城県産、山梨県産といった夏秋栽培産地の出荷が始まる6月下旬までは、平年並みの値動きとなりそうです。
1キロ357円と平年並み 2023年5月8日
5月に入り雨やGW需要でやや値上がりしたナスの市場価格ですが、再び平年並みに戻しています。
関東産を中心とした半促成ナスの出荷が順調です。
高知産は大きな山谷のない入荷。販売は関東産主体へ徐々に移り相場底上げ
引用:日本農業新聞2023年5月7日
平年であれば、2月から続くナス価格の下落傾向は冬春ナスの終了とともに止まり、夏秋ナスの出荷が始まる6月下旬まで1キロ350~360円を維持します。
群馬県産の半促成ナスは平年通りの出荷を見込んでいるとのことですので、今後のナス価格は上記のような展開になるのものと思われます。
ナスが疲れて葉色が薄くなったら、ペンタキープがいいかも。
引用:株式会社誠和アグリカルチャ
活着不良や成り疲れ、曇天続きなどにより、葉の色が薄くなってしまうことがあります。
ナスは一度調子を崩すとなかなか回復しないので、早めに対処したいところです。
そんな時、種苗メーカー時代にナスの育種をしていた筆者は、ペンタキープを使っていました。
追肥をしても吸ってくれない、窒素を葉面散布しても効果が持続しない… といった状況で効果を発揮してくれます。
ややお高いですが、5000~7000倍で使うこと、また農薬みたいにべたべたにかけなくていいのでコスパは良いと思います。
ナス栽培のお守りにどうぞ。
1キロ379円と平年並み 2023年4月27日
群馬県産半促成ナスは順調、高知県産冬春ナスはやや出荷不安定の状態が続いています。
群馬産は増えるが高知産は不安定な入荷。
引用:日本農業新聞2023年4月27日
高知県はGW中も天候が優れない予報です。
それほど出荷量増加は見込めないため、今後の価格は平年並みの1キロ300円台半ばで推移するでしょう。
1キロ407円とやや高値 2023年4月18日
1キロ470円台まで急上昇したナス価格ですが、その後急落しました。
高値でスーパー等が注文を控えたようです。
天候不順で前週に急上昇した分、売りは鈍る
引用:日本農業新聞2023年4月16日
また、やや長引くかと思われた品薄も解消に向かっているとのこと。
このまま出荷量が戻れば、今後のナス価格は平年並みで推移するでしょう。
着果処理不要!ハウス向けナスの新省力品種【タキイ種苗の新作】
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小葉で立性、側枝の回転が早いので、半促成栽培などハウス向けに最適。
1キロ444円と平年比2割高 2023年4月14日
安値に沈んだ3月下旬から一転、ナスの市場価格が1キロ100円以上値上がりしました。
関東産の半促成ナスは生育順調なものの、ナスの最大産地である高知産の冬春ナスが急ブレーキです。
曇天の日が多く入荷少ない
引用:日本農業新聞2023年4月9日
高知県では3月中下旬から10日以上にわたって雨や曇りが続き、日照と温度を必要とするナスにとっては厳しい生育環境に。
また、それまでは平年より暖かく好天が続いたことで着果数が増えていたため、ナスの樹が疲れてしまっているものと思われます。
さらに気になるのは、従来品種である「竜馬」から新品種「PCお竜」へと高知県の採用品種が切り替わっていること。
新品種「PCお竜」は省力多収品種である反面、着果負担が大きく樹が疲れやすいため、一度不調に陥ると回復に時間がかかります。
4月の生産量は平年を下回る予想です。
ナスの品薄傾向はしばらく続くでしょう。
1キロ346円と平年比1割安 2023年3月28日
雨が続き出荷量を減らした生産地があるものの、3月は気温が高くナスの出荷は順調です。
気温高く関東産の春作が前進し、潤沢入荷。相場下げた分、引き合い強まる
引用:日本農業新聞2023年3月26日
ただし、冬春ナスの最大産地である高知県産はやや不調に陥っているとの情報があります。
4月の出荷量は平年並み~やや少なくなる見込みですから、2月下旬から続いたナスの安値は徐々に平年並みに戻すと思われます。
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1キロ352円と平年比1割安 2023年3月18日
ナス価格の下落が止まりません。
気温が高く出荷量が多いことに加え、消費が伸びを欠いているようです。
増量が進む一方、他商材に押されて引き鈍い
引用:日本農業新聞2023年3月19日
キュウリやトマトといったサラダ野菜の販売好調とは対照的に、ナスが売れていないようです。
今後は全国的に雨が続き出荷量は一時減少すると思われますが、市場には在庫が残っているとのこと。
ナスの安値傾向はしばらく続きそうです。
1キロ363円と平年比1割安 2023年3月13日
ナスの生産量が増えています。
気温上昇に伴い増量が進む。特売需要は増えるが供給量が上回り、軟調相場
引用:日本農業新聞2023年3月12日
1月下旬以降、1か月半にわたってナス価格の下落が続いています。
主産地高知県産の生育は順調とのことですから、今後の市場価格はスーパーの特売と消費動向次第。
スーパーは売込みを強めているとの情報もあり、ナス価格の下落スピードはやや緩やかになることを期待しましょう。
1キロ379円と平年比1割安 2023年3月6日
1月末の寒波で1キロ600円台に乗せたナスの市場価格ですが、その後40日にわたって価格を下げています。
気温上昇により生産量が増えているうえ、ナスがあまり売れていないようです。
気温上昇で高知産は増量が進む。春商材主体の売り場構成となり、販売苦戦。
冬春ナスの大生産地である高知県では着果順調で、3月の出荷量は十分な量となる予想。
ナスの市場価格はしばらく平年並み~やや安値で推移するでしょう。
1キロ423円と平年並み 2023年2月27日
2月は寒波と重油高騰によりナスの生育が鈍り、出荷量が伸び悩みました。
一方、消費も伸びず価格は平年並みに落ち着いています。
加温控えが顕著で入荷は横ばい。3本入り袋の売価100円超えで荷動きは鈍る
引用:日本農業新聞2023年2月26日
冬春ナスの最大産地である高知県では、着果数が増えてきているとのこと。
3月の生産量は平年並みとなる見込みですから、今後のナス価格は平年通りじわじわと下落に向かうでしょう。
1キロ466円と平年並み 2023年2月18日
ナス価格が平年並みで推移しています。
高知産が入荷横ばい。前週から続く下げ基調で値ごろ感が出て、売り込み強化
引用:日本農業新聞2023年2月19日
高知県、福岡県、熊本県といった冬春ナスの生産地は、いずれも1月末の寒波や積雪の影響によりナスの生育が一時的に鈍化し、樹勢を落としました。
その影響で現在収穫待ちの果実は肥大がやや弱く、出荷量はそれほど伸びていないようです。
ただし、その後は生育問題なく、着果量も増えてきているとのこと。
今後は平年通り出荷量を増やし、価格も徐々に下げるものと思われます。
1キロ486円と平年並みまで下落 2023年2月13日
寒波により高騰したナスの市場価格が、平年並みにまで戻しました。
JA高知県によると、直近の出荷量は1日60トン前後。「先々週は寒波と曇雨天で50トンに届かない日もあったが、日中の気温上昇で平年並みに回復してきた」という
引用:日本農業新聞2023年2月14日
例年、日照量と気温の上昇に伴って生産量が増加し、ナスの価格は徐々に下げます。
今後は平年通りの展開となりそうです。
1キロ511円と平年比2割高も下落中 2023年2月6日
寒波により高騰したナスの価格が、下落しています。
やはり高値反動のようです。
生育は前進気味で入荷微増。高値が続いて特売商材から外れ、荷動きは鈍化
引用:日本農業新聞2023年2月5日
なお、2月は比較的暖かくなるとの予想です。
中旬には生産量・市場価格ともに平年並みに戻るものと思われます。
1キロ601円と平年比2割高 2023年1月28日
低温によりナスの生育が鈍く、価格が高騰しています。
ただし、高値は長く続かない見込みです。
1月は数量少なかったが、2月からは増量。2週目から山場が来る見込み。
引用:東京青果 2月野菜展望 なす類
冬春ナスの主産地である九州では、25月上旬より一気に高温になるとの予報もあります。
高値の反動と生育速度の回復により、ナスの市場価格は下落に向かうと思われます。
1キロ583円と平年比2割高まで急上昇 2023年1月23日
ナスの市場価格が、直近1週間ほどで1キロ200円近く上昇しています。
寒波の影響を大きく受けているようです。
日照不足に寒さが加わって減少基調が続き、前週からの強含みの展開が継続
引用:日本農業新聞2023年1月22日
冬春ナスの最大産地である高知県では、今後1週間にわたって最低気温が氷点下の冷え込みとなる日が多くなる予報。
ナスの高値傾向はしばらく続くでしょう。
※1月25日追記 やはり高値が続くとの予想です。
24日からの寒波でさらに減る予定で「当面、増量はなく相場は強もちあい」と見通す
引用:日本農業新聞2023年1月25日
1キロ359円と平年比15%安 2023年1月7日
冬春ナスの生産地である高知県や福岡県が出荷量を伸ばしています。
12月下旬は寒波と曇雨天で肥大が鈍く出荷量は減少しているが、着果は十分あり。1月上旬は好天予報のため順次増量となろう
引用:東京青果 1月野菜展望 なす類
当初の予報が変わり、1月上中旬は平年より暖かい日が続くとの予想です。
12月の出荷量が少なかった反動もあり、1月中に出荷ピークを迎える可能性があります。
しばらくナスの価格は安値傾向となるでしょう。
1キロ407円と平年比2割安 2022年12月19日
ナスの消費が伸びず、価格は平年比2割安となっています。
前週から微減だが需要期迎えた他商材に押されて売り場は狭まり荷動き鈍化
引用:日本農業新聞2022年12月18日
クリスマスに向けてサラダ野菜が伸びているほか、気温低下でなべ物野菜の需要が高まっています。
一方、どちらにも属さないナスの販売は苦戦しているとのこと。
寒波の襲来により生育が鈍くなることが予想されますので、今後はじわじわと相場を上げていくものと思われます。
1キロ416円と平年比2割安も上昇中 2022年12月12日
冬春ナスの好調により安値が続きますが、12月に入ってからの10日間ほどで1キロ当たり約40円上昇しました。
季節が進み日照量が低下したことで、生育の進みが遅くなっているようです。
日照不足で生育鈍化し「千両」、長ナスとも入荷少ないまま。特売需要一服
引用:日本農業新聞2022年12月11日
重油高によりハウスの設定温度を上げにくい状況のため、今後の生育は気温によって大きく左右されます。
年内は平年並み~やや暖かいとの予想ですから、平年価格以上の高値に達することはないでしょう。
1キロ380円と平年比2割安 2022年12月5日
10月下旬以降、長期にわたってナスの安値が続いています。
九州の生産地の出荷が好調をキープしているようです。
曇天と前進の反動で「千両」は減少も長ナスの潤沢感が強く軟調な展開続く
引用:日本農業新聞2022年12月4日
気温の低下とともに出荷のペースは鈍くなると思われますが、野菜が全面安となっているため価格上昇のきっかけはつかめそうにありません。
しばらく平年対比で安値が続くと思われます。
1キロ当たり359円と平年比2割安 2022年11月19日
ナスの市場価格が伸びず、平年比2割安に沈んでいます。
平年であれば、夏秋ナスの出荷終了に伴い10月の1キロ300円台半ばから12月の500円台に向けて価格が上昇する時期ですが、今年は11月下旬が近づいても300円台半ばのまま。
冬春ナス農家さんにとっては単価が高いこの時期に稼ぎたいところですが、苦しい状況となっています。
その理由は11月の好天です。
数量少ない時期で売り場が狭い一方、日中の気温高く余剰感が強い出回り続く
引用:日本農業新聞2022年11月20日
10月と打って変わって、11月は比較的気温が高かったため出荷量が増えています。
グラフを見ると、10月下旬ごろより平年より入荷量が多い状態となっていることが分かります。
また、気になるのは冬春ナスの最大産地である高知県の動向です。
本年産は、単為結果性品種(受精を伴わない種無し品種)のPCお竜が増加。
引用:ベジ探 令和4年度 産地・作柄情報
高知県産のナスは品種の切り替えが進んでおり、単位結果品種のPCお竜の栽培面積が増えています。
品種が変わることで、出荷ピークのタイミングが従来とずれているのかもしれませんね。
ナスの特性として出荷量増加の後は一休みする傾向にありますので、12月は出荷量減少からの価格上昇となる可能性があります。
1キロ当たり375円と平年比1割安 2022年10月29日
9月下旬から夏秋ナスの出荷減少により1キロ300円台後半まで市場価格が回復しましたが、10月末になっても400円台に到達せず価格が伸び悩んでいます。
その理由は、夏秋ナスの後を引き継いだ冬春ナスの出荷が好調であること。
関東産は終了早まるが、比重が高まる高知県産の入荷は安定し、値動きは小幅
引用:日本農業新聞2022年10月30日
今作は台風14号が定植直前~直後の生産地(九州、四国)を襲いましたが、農家さんの努力により被害は最小限で抑えられました。
その後急な冷え込みなどあったものの西日本は概ね天候に恵まれ、生育は順調とのことです。
ただし、ナスは高温性の作物ですので今後は冬に向けて生育が鈍くなり、出荷量は徐々に減少を始めます。
秋冬産地の出方順調も気温の低下で肥大鈍り、L級の出回りが減る懸念があり
引用:日本農業新聞2022年10月30日
今年はラニーニャ現象の影響で寒さの厳しい冬になる予想であり、かつ原油高騰で暖房を焚きづらい状況ですから、冬場の生育は例年以上にブレーキがかかりやすくなると思われます。
年末の1キロ500円台後半へ向けて、これから徐々に値を上げていくでしょう。
1キロ387円と平年比1割高! 2022年10月14日
関東産夏秋ナスの出荷終了が近づき、ナスの生産量が減少しています。
上のグラフは全国14卸のナス取扱量(kg)を示していますが、9月中旬までは多い日に一日500t前後の入荷量があったのに対し、9月中旬から10月にかけて入荷量が大きく減り、平年量(濃い青色)より少ない日が多いことが分かります。
その理由はみなさまお気づきの通り、9月下旬から台風後の冷え込みや降雨でナスの生育が鈍化したこと。
もともとナスの市場価格は端境期となる10月下旬ごろより上昇する傾向にありますが、今年は天候により夏秋ナスが減収したため四国、九州産の冬春ナスの需要が高まっています。
関東産は雨で品質差あり、潤沢な高知産の引き強まる
引用:日本農業新聞2022年10月16日
今年5月より長期にわたり続いた安値はついに終りましたね。
今年の冬春ナスは台風被害も小さく順調な生育とのことですから、12月~翌年1月に向けて例年通り徐々に値を上げる展開となりそうです。
1キロ365円と平年比1割安まで上昇! 2022年9月24日
実に5月末より長期的に伸び悩んできたナスの市場価格が、ようやく上向き始めました。
その理由は、やはり台風14号の影響です。
露地物が中心で台風14号の被害が大きいナスは、特売を予定するスーパーが多く、品薄高
引用:日本農業新聞2022年9月25日
この時期はまだ夏秋ナスがメインです。
夏秋ナスは群馬や栃木といった関東、徳島や京都といった西日本産地で栽培されますが、その多くは露地栽培で風や雨の影響を大きく受けます。
またナスは果皮が柔らかいので漬物にすると歯切れがよくなりおいしいのですが、その反面風雨によるすり傷や焼けが出やすい性質があり、台風被害を受けやすいのです。
さて、今後の相場ですが例年であれば9月下旬ごろから価格が下がり始めます。
その理由は、冬春ナスの大産地である高知県産が出荷を始めるから。
すでにスーパーに出回っていますね。
ただし、高知県も台風14号によりハウスビニールが飛ばされるなどの被害を受けています。
今後のナスの市場価格は高知県産の出荷量に左右されるでしょう。
※追記 群馬の露地ナス農家さんです。夏秋ナスは終わりが近いかも。
1キロ273円と平年比4割安 2022年9月15日
ナスの市場価格が伸び悩んでいます。
平年であれば、9月中旬は1キロ400円台と高値で推移するところですが、今年は300円を切る安値。
この時期は夏秋ナスが終盤に向けて減少する一方、冬春ナスは定植直後で出荷量がが少ないため、高値となりやすい時期なのですが…
何が起きているのでしょうか?
関東主体で安定入荷が続き、潤沢感強まり軟調
引用:日本農業新聞2022年9月18日
夏秋ナスの生産地は全国に点在しますが、その本場は群馬、栃木、茨城といった関東です。
露地作がメインなので風雨に弱いのですが、今年の夏に大雨被害を受けたのは北日本。
関東は日照不足などあったもののおおむね天候に恵まれたため、終盤になっても生産量が衰えていないようです。
さて今後の価格を左右するのは、冬春ナスの最大産地である高知県です。
その動向はどうなのでしょうか?
出荷開始は9月20日頃からの見込みで、本格化するのは10月10日頃から。
引用:東京青果 9月野菜展望 なす類
…つまり、もうすぐ高知県産のナスが出荷開始されるということ。
今年は9月の高値を見ることなく10月に突入する恐れがあります。
1キロ278円と平年並み 2022年8月31日
ナスの市場価格が上昇する時期に差し掛かりました。
北関東や山梨、徳島といった夏秋産地の出荷量が徐々に減少し、品薄になってくるためです。
もちろん、今作も例外ではありません。
栃木・群馬産はピーク過ぎ8月の出方より減少して単価は上昇する予想
引用:東京青果 9月野菜展望 なす類
7月中旬より安値に沈んできたナスの市場価格ですが、ついに平年並みにまで回復してきました。
これから9月上旬にかけて徐々に値が上がり、冬春の代表産地である高知県産が本格的に出荷を始める前の9月下旬ごろまで、1キロ400円台で推移するでしょう。
1キロ258円と平年比2割安 2022年8月12日
6月中旬ごろより低調な取引が続くナス。
雨により7月中旬に1キロ300円台に戻したものの、再び下落し250円前後を行ったり来たりです。
もともとナスが安い時期ではありますが、それでも平年比2割安と安値に沈んでいます。
その理由は関東、西日本の猛暑。
猛暑で生育が前進したナスは、余剰感が強く軟調な展開となる
引用:日本農業新聞2022年8月7日
ところで、台風8号が関東に接近していますね。
関東には群馬、栃木など夏秋ナスの大産地がありますし、露地栽培がメインですので雨風の影響は多少なりとも避けられないと思われます。
台風通過後の品質とその後の天候に注目です。
1キロ260円と平年比1割安 2022年7月31日
1年で最もナスが安くなる8月がやってきます。
とはいえ1キロ300円前後が普通ですが、今年は250円を割る勢いで下落しており、底が見えない状況です。
その理由は、やはり供給過剰。
各産地出揃い潤沢入荷。売り込み増加も増量に伴い緩やかな下げ基調続く
引用:日本農業新聞2022年7月31日
群馬、栃木、茨城といった大産地の出荷が最盛期を迎えている一方、暑さで加熱調理が敬遠されているため消費が進んでいないものと思われます。
そして今後の見通しとしても上向く材料は見当たりません。
8月は大きな山谷なく安定的な出回りで、数量は平年並みにはある見込み
引用:東京青果 8月野菜展望 (群馬)
夏秋ナスは露地ものが主流であるため、台風など悪天候の影響を受けやすい作物ではあります。
そういった気象条件の変化がない限り、今後も安値傾向が続くでしょう。
1キロ263円と平年比1割安 2022年7月11日
ナス市場価格の安値が続いています。
西南暖地産が終わり群馬、栃木、山梨といった関東産に切り替わりましたが、生産量は引き続き平年並み。
生育は順調のようで、7月後半に向けてさらに出荷量が伸びる予想です。
月後半は関東産の増量で相場は軟化の気配
引用:東京青果 7月野菜展望
露地ものが暑さで疲れ始める8月後半までは、安値が続くものと思われます。
1キロ311円と1割安 2022年6月19日
市場価格が平年並みに戻った6月上旬ころより、徐々に値を下げています。
その理由は生産量の増加とナスの消費動向の変化です。
関東産のナスが増量
6月は、高知の冬春ナスが終了し群馬の夏秋ナスが増える時期にあたります。
西南暖地産は終盤も関東産が増え総量微増
日本農業新聞2022年6月19日
ナスは本来夏野菜。群馬に限らず、全国的にナスの生産量が最も増える時期にあたります。
天候不良がない限り、安くなりやすい時期なのです。
ナスの消費が少ない
とはいえ、ナスの生産量は平年並みです。過剰に生産されているわけではありません。
ナスが安い理由は、ずばり売れていないから。
店頭の動きが鈍く、余剰感が強いまま
日本農業新聞2022年6月19日
ナスは加熱調理して食べる野菜です。
気温の上昇に伴って、「暑くてフライパン調理したくない…」現象が起きてしまうのがこの季節。
生産量と暑さがピークとなる8月まで、徐々に値を下げていくでしょう。
1キロ319円と平年並み 2022年6月7日
5月中旬に1キロ400円台と高騰したナスの市場価格ですが、5月下旬よりほぼ平年並みの水準に落ち着いています。
この値動きは、日本最大産地であり冬春ナスの生産地である高知県の事情が大きく関係しています。
まず5月中旬の高騰は、日照不足による生産量の一時的な低下です。
日照不足の影響で入荷量少ないまま
日本農業新聞2022年5月22日
その後高知県からの入荷量が回復して最後の出荷ピークを迎えるとともに、群馬を始めとした全国の夏秋ナス産地からの出荷開始を受けて、価格が平年並みにまで低下したというわけです。
今後は、冬春ナスが完全に終了し夏秋ナスの出荷が本格化するまでの端境期である7月に一時高騰する時期を迎えます。
夏秋産地の代表格である群馬の露地ナスの動向に注目ですね。
1キロ358円と価格上昇中! 2022年5月8日
3月半ばより平年比1〜2割安で推移してきたナスの市場価格ですが、4月中旬より上昇に転じ、ついに平年並みの価格まで値を戻しました。
その理由ですが、よくわかりません。
朝晩の冷え込みで生育に遅れ
(中略)
日照不足で生育鈍く入荷量伸び悩む
日本農業新聞2022年5月8日
冷え込みや日照不足などとありますが、過去の気象データを見る限り平年と大きく変わることはありません。
はたけもんの予想は以下の通りです。
- 原油高騰によって夜間の加温を控えたため、夜温が下がった
- 4月に収量ピークを迎えたため、樹が疲れて収量が落ちた
このまま樹勢の回復が遅れれば、出荷量が増えることなく高知県産をはじめとする冬春物が終わる可能性もあります。
逆に回復すれば5月下旬から6月にかけてもう一山ピークがやってきて、相場を下げる展開もあり得ます。
ナスの市場価格は、ここから1ヶ月ほど読めない展開が続きそうです。
1キロ290円と平年比2割安に 2022年4月18日
ナスの市場価格の下落が止まりません。
今年2月には平年並みの水準に戻したものの、3月上旬より再び下落が始まり、ついに1キロ300円を切る展開に。
これは露地ナスの出荷が始まり最も値が下がる7〜8月の水準です。
その理由はやはり、出荷量の増加。
気温の上昇で生育が進み、入荷量が増えた
日本農業新聞 2022年4月14日
そして市場に大きな影響力を持つのは高知県。
単一の県として300haと最大の面積を誇り、東京、大阪市場ともに10月〜翌年6月にわたって出荷量No.1!
上の図のうち、棒グラフが出荷量の推移ですが、桜色の平年値を時々大きく上回る日があるのが分かりますね。
その度に値を落としていますが、その要因は高知県の出荷ピークであると思われます。
5月いっぱいまでは高知県の独壇場ですので、この安値傾向はしばらく続くかもしれません。
1キロ320円と全市比43円上昇!2021年10月26日
野菜全般が安いですね。
しかしここにきて状況は変わりつつあります。
要因は秋が深まって出荷量が減ってきたこと、そしてスーパーが野菜をたくさん売っていることです。
月初めの特売向けでスーパーの引きが強く、今週の相場は強もちあい
日本農業新聞 2021年10月26日
月初めの特売?
初めて聞くワードですが、どうやらスーパーは月初めと月終わりに特売を行うみたいです。
しかしなぜなんでしょうか?
・・・分かりませんでした!在庫管理に関係しているのでしょうか。
野菜の市場価格はカレンダーにも左右されるのですな。奥深い!
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