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おいしいブドウ品種ランキング!【ブドウの種類・元ブリーダーおすすめ】

おいしいブドウ品種ランキング

高級フルーツの代表格、ブドウ。

人気が高く高値で取引されるだけに、品種改良も盛んにおこなわれてきました。

世界中のブドウ品種を集めると、その数なんと1万点!

あまりにたくさんの品種があって、どの品種を選んでいいか分からない!という方のために、元植物ブリーダーの筆者がおすすめランキングを作成しました。

おいしいブドウを食べたいみなさま、参考にしていただけるとうれしいです。

この記事を書いた人
小林大介
小林大介
  • 元植物ブリーダー(品種改良をする人)
  • 味にこだわった品種の開発に従事
  • 得意なこと:作物の栽培、市場調査
  • お問い合わせはこちらからどうぞ
目次

ブドウ品種の分類

ランキングに入る前に、ブドウ品種の分類についてご紹介します。

ランキングを早く見たい方は、こちらからどうぞ。

高品質な欧州種

マスカット オブ アレキサンドリア

マスカット オブ アレキサンドリアに代表される欧州種は、アジア西部原産のグループです。

マスカットの香りがすばらしく高品質なブドウですが、寒さや病気に弱く、日本では栽培が難しいと言われています。

サクサクした食感で、多くの品種が皮ごと食べられます。

つくりやすい米国種

スチューベン

ナイアガラに代表される米国種は、雨や病気、寒さに強く、高温多湿の日本でも作りやすいグループです。

皮が厚いものの果肉と離れやすいので、皮をむいて食べます。

サクサクした食感の欧州種に比べると、弾力のある肉質でジューシー。

マスカット香とは異なる、ブドウジュースの香り(フォクシー香)が特徴です。

日本で主流の欧米雑種

巨峰

高品質の欧州種に米国種を掛け合わせ、日本でもつくりやすく改良されたのが欧米雑種と呼ばれるグループです。

巨峰、デラウェア、ピオーネなど、日本を代表するブドウ品種のほとんどがこの仲間。

香りや肉質、皮のむきやすさなど、バリエーションに富んだ様々な品種があります。

ブドウ品種のおすすめランキング!
欧米雑種編

まずは、日本のブドウ栽培の中心である欧米雑種のおすすめ品種をご紹介します。

1位 マスカ・サーティーン

マスカ・サーティーン
引用:石原果樹園
開発元植原宣紘(山梨県)
開発年2011年
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
食べられる
なし

甘くさわやかなマスカットの香り

シャインマスカットを親に持つ、いわばシャインマスカットの改良種。

糖度は18~20度としっかり甘く、シャインマスカットに負けないマスカットの強い香りがすばらしい品種です。

皮がとても薄く、果肉はやわらか

皮ごと食べられるシャインマスカットよりさらに皮が薄いので、ブドウの皮が苦手な方でも食べやすい品種です。

果肉はやや柔らかく、果汁たっぷり。

もちろん種なしです。

そのほかの特性

  • 透明感のある果実が美しい
  • 日持ちがいい
  • 2015~2016年「これから栽培したい品種」1位の有望品種

※新しい品種のため、生産量が限られています。予約はお早めに。

2位 クイーンルージュ

クイーンルージュ
開発元長野県果樹試験場
品種登録年2019年
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
食べられる
なし

シャインマスカットより甘い!驚きの高糖度

シャインマスカットやナガノパープルをしのぐ高糖度です。

酸味が少ないので、さらに甘さが引き立ちます。

「忘れられない甘さ!」と評判。

従来のブドウの枠にはまらないおいしさ

ほのかなマスカット香があります。

そのほか、リンゴやサクランボに似たさわやかな香りがあり、「これまで食べたことのあるブドウの味とは違う」との声も。

皮にかすかな渋みが残っていているので、高糖度でも後味はすっきり。

シャインマスカットと同じく、食べやすくてサクサクした食感

もちろん皮ごと食べられて、種なしの品種です。

果肉の硬さはシャインマスカットとほぼ同じ。

そのほかの特性

  • 人によっては、甘すぎるとの声も
  • マスカット香の強さは、シャインマスカットに比べるとやや控えめ

※新しい品種のため、生産量が限られています。予約はお早めに。

3位 シャインマスカット

開発元農研機構
品種登録年2006年
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
食べられる
なし

高糖度で際立つ甘さ

糖度は20~22℃と最高レベル。

酸味が少ないので、甘さがより一層ひき立ちます。

豊かなマスカットの香り

高糖度なのに甘ったるくなく、さわやかな後味です。

そのわけは、サクサクした食感と果汁たっぷりのジューシーさ、そして口いっぱいに広がるマスカットの香り。

マスカットの元祖「マスカット オブ アレキサンドリア」に勝るとも劣らない優れた香りを持っています。

種なし、薄皮で渋みもなく食べやすい

シャインマスカットの人気をここまで高めたのは、おいしさ+食べやすさです。

皮が薄くて渋みもなく、流通するシャインマスカットの多くは種なしなので一粒丸ごと食べられます。

皮をむいたり口から出したりしなくてよいので、手が汚れずゴミも少なくて済みます。

そのほかの特性

  • 肉質は硬めで、パリッとした食感。歯ごたえがよい
  • まるで陶器のようなツヤツヤの果実がきれい
  • 日持ちがよく、輸送にも強い。

4位 安芸クイーン

安芸クイーン
開発元農研機構
開発年1993年
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
苦手な人はむいて食べる
なし

この甘さを例えるなら、はちみつ。

18~20度と高糖度の品種です。

甘さの裏にうまみとコクがあり、濃厚な甘みを味わうことができます。

そのおいしさゆえに多くのブドウ農家が挑戦するも、栽培が難しすぎて断念せざるを得なかった伝説の品種「オリンピア」に最も近い味と言われます。

皮はむきやすく、種なし。皮の厚さは中程度

巨峰より渋みが少なく、皮も薄めです。

皮が苦手な人はむいてもよし、むかずにそのまま食べてもよし。

適度な硬さがあり、酸味は控えめ。

そのほかの特性

  • 粒は巨峰と同じくらい大きい
  • かすかにフォクシー香がある
  • 日持ちがよく、輸送性にも優れている

5位 ナガノパープル

開発元長野県果樹試験場
品種登録年2004年
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
苦手な人はむいて食べる
なし

巨峰やピオーネにも勝る高糖度

糖度は18~21度!

同じ黒紫色の有名品種「巨峰」や「ピオーネ」と比べてもいちだんと甘い品種です。

酸味は中程度。

ブドウらしい豊かな香り

フォクシー香と呼ばれる、巨峰とおなじブドウらしい香り。

皮に残る適度な渋みと濃厚な甘み、酸味が合わさり、しっかりとした食べ応えを感じます。

皮が薄めで種なし、食べやすい

皮はそれほど厚くないので、皮ごと食べることも可能。

果肉はしっかりめで、サクサクした食感です。

そのほかの特性

  • ポリフェノールが豊富。1房で赤ワイン1本分を摂取できます。
  • 熟しすぎるとやや皮が硬くなり、渋みが増します。
  • 皮が苦手な人はすこし気になるかも。皮は剝きにくい。

6位 雄宝

引用:グルメとお取り寄せの美味しいメモ
開発元志村富雄(山梨県)
開発年2011年
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
食べられる
種なしが可能

超大粒でゴールドに輝く美しいブドウ

大きいものでは1粒30gにもなる、超大粒のブドウ品種です。

大きすぎて、一口では頬張れないほど。

完熟すると透明感のある黄金色になり、高級感たっぷり。

大粒なのに糖度が高い

糖度は18~19度と、大粒なのにほかの品種に負けない甘さを持っています。

香りや酸味は少なめなので、甘さのわりにあっさりとした味わい。

香りや酸味の強い濃厚な味が苦手な方におすすめです。

種なしで皮はとても薄い

皮がとにかく薄いので、シャインマスカットの皮が気になる人でも雄宝は皮ごと食べられます。

反対に肉質は硬めでしっかり。

かじるとパリッと歯切れのよい食感を楽しめます。

そのほかの特性

  • マスカットの香りはない
  • 黒紫系品種の濃厚な甘さが好きな人には、ややもの足りないかも

7位 ゴルビー・悟紅玉(ごこうぎょく)

開発元植原宣紘
開発年1988年
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
食べない
なし

大粒かつ高糖度!

巨峰を超える大粒なのに、巨峰を超える甘さが魅力の品種です。

糖度は驚きの20~22度!

ピオーネや安芸クイーンより甘さで優ります。

果肉はしっかり

しっかりとした硬さがあり、食べ応え十分。

巨峰より渋みが少なく、後味すっきりです。

種はありません。

そのほかの特性

  • 皮は厚いのでむいて食べますが、少しむきにくい
  • 房から粒が外れやすい
  • 酸味は少なめ

8位 クイーンニーナ

クイーンニーナ
開発元農研機構
品種登録年2011年
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
食べない
種なしが可能

大粒+高糖度で酸味は少なめ

ゴルビーほどではないものの大粒になり、20度を超える高糖度。

酸味は少なく渋みもないので、ブドウの甘さを口いっぱいに感じることができます。

巨峰やピオーネと同じフォクシー香がほんのり香ります。

シャインマスカットと同じサクサク食感

巨峰やピオーネ、安芸クイーン、ゴルビーなど、黒や赤系の人気品種はやや弾力のある肉質が多いのに対して、クイーンニーナはシャインマスカットと同じサクサク食感。

歯切れのよいブドウが好きな方におすすめです。

そのほかの特性

  • 種なしになる
  • 皮ごと食べられませんが、少しむきにくい
  • 過熟になると割れることも

9位 ピオーネ

開発元井川秀雄(静岡県)
品種登録年1973年
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
食べない
種なしが可能

巨峰を上回る甘さ

糖度は16~21度と巨峰より甘く、食味の優れた品種です。

酸味と渋みは巨峰よりおだやかで、甘みを強く感じます。

大粒でプリンとした食感、食べごたえは十分

1粒が20gにもなる大粒の品種です。

巨峰より大きく、実がしっかりしているので食べごたえは十分。

ジューシーで、口に入れると果汁があふれます。

種なしにすると「ニューピオーネ」に

ジベレリン処理で種なしになったピオーネは、ニューピオーネとして流通します。

皮をむいて食べる品種ですが、ニューピオーネを選べば種を出す必要もなく口いっぱいに頬張ることができます。

そのほかの特性

  • 皮のむきやすさは中程度。少しむきにくい
  • 巨峰より香りが豊かで、日持ちもよい
  • フォクシー香がメインだが、少しマスカット香が混ざる

10位 巨峰

巨峰
開発元大井上康(静岡県)
開発年1940年頃
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
食べない
種なしが可能

大粒・種なしで大人気!日本一のブドウ品種に。

日本で最も広く栽培されているブドウ品種です。

大きいものでは20gになる大粒ながら、種なし化が可能でたべやすいのが人気のポイント。

甘味とコク、酸味のバランスがすばらしい

糖度は16~20度と高めです。

豊かなフォクシー香とコク、優しい酸味があり、日本のブドウと言えばこの味。

ぷりんとしてジューシー

皮は食べられませんがむきやすく、肉質はやや硬めでぷりんとした食感です。

果汁は多めでジューシー。

そのほかの特性

  • 種ありの巨峰の方が酸味が少なくおいしいという人も
  • 日持ちはあまりよくないので、数日のうちに食べてしまったほうがよい

11位 ブラックビート

ブラックビート
開発元河野隆夫(熊本県)
品種登録年2004年
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
食べる人もいる
種なしが可能

酸味、渋みがなく甘さを堪能できる

巨峰、ピオーネのような黒紫系の品種は濃厚な甘みが特徴ですが、その酸味や渋みが苦手という人も。

ブラックビートは酸味と渋みが少なくなるよう改良されているので、甘さそのものを楽しむことができます。

皮は薄めでむきやすい

皮がややむきにくいピオーネに対し、ブラックビートはむきやすく改良されました。

また巨峰は皮ごと食べられませんが、ブラックビートはある程度薄めで渋みも控えめ。

お好みですが、皮ごと食べることもできます。

大粒で食べごたえがある

大きいものでは1粒20gを超えるボリュームに。

弾力のある肉質で、果汁たっぷり。

そのほかの特性

  • 着色が早い。完熟前に出荷されると味が乗っていないことがある。
  • 香りは少なめ

12位 デラウェア

開発元アメリカ ニュージャージー州
開発年1850年頃
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
食べない
なし

高糖度と適度な酸味でさっぱりと食べられる

香りは控えめですが、ジューシーで強い甘みが特徴。

糖度が23度に達することもありますが、酸味もあるので甘ったるくなく、さっぱりした後味です。

皮が離れやすく、つるっと食べられる

タネがなく、皮が離れやすい品種です。

指でつまむだけで中の実がつるっと飛び出すので、手軽に食べられます。

そのほのかの特性

  • 粒が小さいので、食べるのが少し面倒
  • 日持ちがよい

欧州種

続いて、おすすめ欧州種2点をご紹介。

甲斐路

甲斐路
開発元植原正蔵
開発年1977年品種登録
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
食べない
あり

かつて高値で取引された、「赤いマスカット」

マスカットの香りが魅力的な一方、雨の多い日本の気候では栽培が難しかった欧州種。

それを可能にしたのが、当時の革命的品種「甲斐路」です。

欧州種ならではのマスカットの上品な香り、高いもので23度にもなる糖度、渋みや酸味が少なく食べやすいことから「赤いマスカット」と呼ばれ、高値で取引されました。

そのほかの特性

  • 皮が厚く、皮ごと食べられない
  • 種なしにできない
  • 日持ち性や輸送性が最も高い品種の一つ

マスカット オブ アレキサンドリア

開発元アフリカ原産
開発年紀元前から栽培される
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
食べられるがやや口に残る
種なしが可能

クレオパトラが愛した、世界最高品質のブドウ

高貴な、香水のようなマスカットの香り、コクのある上品なうまみ、さわやかな酸味と甘み。

ブドウ生産者に「一番おいしいブドウ品種は?」と聞くと、多くの人が「アレキ(=マスカット オブ アレキサンドリア)」と答えるそうです。

栽培が難しい、貴重な品種

高温・乾燥を好み、病気に弱いのが弱点。

岡山県のような、雨が少なく高い技術を持つ生産地でしか栽培することができません。

年々栽培面積が減っている、希少品種です。

そのほかの特性

  • 種なし処理をすると香りが弱まるとの指摘も
  • 皮は正直むきにくい

米国種

米国種を代表するのは、香り豊かなナイアガラ。

ナイアガラ

ナイアガラ
開発元 Claudius L. Hoag(ニューヨーク)
開発年1882年商業生産開始
甘さ
香り
粒の大きさ
果肉のかたさ
日持ち
食べない
あり

部屋いっぱいに広がる香りのつよさ

糖度が20度を超えることもある、甘みの強い品種です。

そして最も特徴的なのは、香りの強さ。

芳香剤としてお部屋に置いておくという人もいるほど、強いフォクシー香を持っています。

皮をむきやすく、つるんと食べられる

柔らかく、弾力のある肉質です。

皮離れがよい「スリップスキン」タイプ。つるっと食べられます。

完熟すると酸味が少なくなり、香りもまろやかに。

そのほかの特性

  • 種の周りに酸味がある
  • 「香りが強すぎる」という人も
  • 種なしにはならない
  • 日持ちがしないので、長距離輸送には向かない

夏に旬を迎えるブドウ。

たくさんの品種が出回るこの時期に、お気に入りのブドウ品種を見つけましょう!

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