日々変動するダイコンの市場価格。変動幅とその理由について情報を集め、発信しています。天候、スーパーの意向、産地の動向によって左右される市場価格の予想は難しいですが、過去の事例を読み解けば自ずと答えが見えてくる!過去の情報と合わせてご覧ください。
1キロ116円、平年比5割高と高騰中! 2022年5月15日

ダイコンが再び高騰しています。
曇天の影響を受けて価格が上昇した4月中旬から1ヶ月。再び上昇が始まり、5月15日現在で平年比5割高まで値をあげました。
その理由は、産地の切り替わりと天候不良。
春ダイコン産地から夏ダイコン産地へと移行開始
温暖な気候を生かし、冬〜春にかけてダイコンの供給を続けてきた春ダイコン産地の千葉、神奈川、長崎。
5月半ばに入り、その作型が終わろうとしています。
そして次にダイコンの出荷を始めるのが、青森、北海道といった夏ダイコンの生産地です。
ところが、その夏ダイコンの本格化にはまだ時間がかかるようです。
全国的にも出回りが少なく、後続の冷涼産地が出始めるまでは、しばらく堅調相場を維持する
引用:日本農業新聞2022年5月13日
6月になるまで出荷量が少ない状況が続く可能性があります。
雨が続き収穫作業に遅れが発生
4月下旬より日本の南に前線が停滞し、天候が不安定になっています。
5月4日には平年より早く沖縄が梅雨入りし、西日本を中心に降雨が続く展開に。
露地野菜であるダイコンは不安定な天候の影響を受けやすく、出荷作業に遅れが生じているようです。
週明けには天候が回復する予報なので、遅れていた分の出荷が増えて一時値を下げる可能性がありそうです。
しかし全体量が少ない状況はしばらく続くでしょう。
1キロ103円と再び価格上昇中! 2022年4月17日
気温の上昇とともに入荷量が増え、このまま平年並みの展開となると思われたダイコン市場ですが、再び価格の上昇が止まりません。
平年並みに戻した4月上旬から一転、再び上昇に転じ4月17日現在で平年比3割高。
日照不足などで出方が鈍く不足感が強いまま
日本農業新聞 2022年4月17日
春特有の不安定な天候の影響を大きく受けているようです。
冬の神奈川県産から春の千葉県産に大きくシフトする4月に千葉県産が出遅れている状況でしょうか。
天候回復によってこれまで遅れていたものが一気に出荷される可能性があり、価格の急な下落に注意が必要ですね。
1キロ74円と平年比93%まで下落 2022年4月3日

2月から続いたダイコンの高値がついに終わり、平年並みの価格まで下がってきました。
その理由は、入荷量の増加と消費者の高値疲れ。
雨と気温上昇で生育進み潤沢な入荷が続く。店頭価格が高いままで消費鈍い
引用:日本農業新聞2022年4月3日
およそ2ヶ月もの間高値が続いたため、献立からダイコンが外されやすくなっているみたいですね。
そして気になる今後の動きです。
3月に入り、気温の上昇等、天候が回復したことから、生育が順調で、安定した出荷が見込まれるため、4月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。
引用:野菜の生育状況及び価格見通し(令和4年4月)について
大産地である九州、関東は生育順調、価格はこのまま平年並みで動く予想です。
1キロ102円と平年比2割高 2022年2月26日

ラニーニャ現象の影響から2021年〜2022年にかけて続いた寒波がようやく落ち着きを見せ始めました。
季節の変わり目に変動しやすいのが青果価格ですが、品目によって明暗が分かれています。
ニンジンやハクサイが平年比3、4割安に沈む一方、キュウリやピーマンといった果菜類は平年並み〜2割高をつけています。
そんな中、ここ2週間で価格を伸ばしているのがダイコン。
2月10日前後から上昇を始め、平年より20円以上高い1キロ100円ほどで推移しています。
2月下旬のダイコン市場で何が起きているのでしょうか。
ダイコン市場価格上昇の要因① 低温と干ばつによる肥大遅れ
この時期の主産地は関東の神奈川・千葉、九州の鹿児島・長崎です。
2月上旬から中旬にかけて出荷されるダイコンの多くは「越冬どり」の作型で、9~10月に播種され下降気温下で肥大期を迎えます。
その肥大期に今年の冬の特徴である低温と干ばつが重なり、肥大遅れが生じているのです。
2月10日ごろより入荷量の減少が始まり、価格上昇のきっかけに。
ダイコン市場価格上昇の要因② 作型の変わり目による端境期
2月の中下旬より、先ほどの「越冬どり」から「早春どりトンネル栽培」へと作型の切り替わりが進みます。
「早春どりトンネル栽培」は「越冬どり」より1ヶ月遅い10~11月の播種です。
その代わりにトンネルを設置して防寒対策を行い、生育を前進させることで早春の出荷を目指します。
ところが今年の寒波はトンネル栽培にも影響を及ぼし、やはり肥大が遅れている様子。
作の切り替わりで出荷が少ない上に「早春どりトンネル栽培」の肥大遅れが重なり、出荷が遅れているのです。
3月以降の展望は?
平年は気温の上昇に伴い3~4月に向けて徐々に価格が下落するダイコン市場。
今作でも遅れている春物が徐々に出始めてくるようです。
徐々に太物増える(神奈川県)
長崎県産の春物の生育遅れで始めるのは週後半(長崎県)
日本農業新聞2022年2月27日
こうした産地の動向に加えて、高値の影響からスーパーが売り場を縮小しています。
入荷横ばいも売り場が縮小し、荷動きは鈍化する
日本農業新聞2022年2月27日
出荷量の増加と引きの弱さから、高値が続いたダイコン市場は今後値を下げていくと思われます。
1キロ70円と前市比13円安 2022年1月7日
年末に価格を上げたダイコンですが、年末需要が一服して値を下げています。
ここで気になったのがこの記事。
太物が多く箱数が伸びていることもあり、佐賀、長崎県産が増量傾向にある
日本農業新聞 2021年1月7日
寒波の影響が少ない九州産が好調のようです。
一方、関東産は寒波の影響を大きく受けている模様。
(主力産地の千葉、神奈川は)低温の影響で生育停滞し、数量不安定
日本農業新聞 2022年1月9日
いづれにせよ、需要低迷の状況はしばらく続きそうです。
1キロ48円と平年比35%安の展開、緊急需給調整実施の可能性あり
温暖な気候で出荷が前進し、市場にダイコンがあふれています。
と同時に、業務需要が低迷。
大口の需要が戻らず、太物がだぶついている
日本農業新聞 2021年11月26日
街のおでん屋さんも儲かっていないのでしょうか。サンマが不漁で大根おろしが出ないのでしょうか。
業務用が余ってスーパーの家庭消費頼みが現状のようです。
千葉県産のダイコン、大ピンチです。
みなさん、おでんが美味しい季節ですよ。ダイコン食べましょう。
1キロ53円と平年の3割安 例年にない暖かさで出荷量増える 2021年11月9日

ようやく秋らしくなってきましたね。
しかし天候の変化に一足遅れてやってくるのが野菜の相場。鍋物野菜が10月の暖かさの影響を大きく受けています。
10月以降の主産地である関東、九州で出荷ペースの高い日が続いています。
JA全農ちばによると…(中略)…平年比2割増。2L級の太物が45%と例年(40%)より多い
日本農業新聞 2021年11月9日
ところが、売れ行きは今ひとつ。
暖かさでお鍋の季節本番!とはいかず、またコロナの落ち着きで外食が増えてスーパーの野菜売り上げが減少しているようです。
ダイコンはカット売り主体で量が出ない
日本農業新聞 2021年11月9日
11月に入り気温もぐっと下がってきました。
平年並みの価格に期待しましょう!
コメント