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【プロ向け!】生産地が選ぶ大玉トマト品種ランキング!

大玉トマト品種ランキングのアイキャッチ画像

「おいしくてきれいなトマトをたくさん収穫したい!収益をあげたい!」

そう思ってトマト品種の検索をしてみても、なんだかよくわからない… と思ったことありませんか?

世の中には大玉トマト品種が本当にたくさんあって、選ぶのに一苦労ですよね。

そんな品種選びのお悩みを解決するため、プロ向けの大玉トマト品種ランキングを作成しました。

農林水産省の資料を基に、全国の農家さんに広く愛される大玉トマト品種5選をご紹介します。

目次

プロに選ばれる大玉トマト品種ランキング!

プロに人気の大玉トマト品種
農林水産省 各都道府県において主に栽培されている品種のデータを集計し作成
※ミニ、中玉品種は省いています

農林水産省は種苗法改正に関連して「各都道府県において主に栽培される品種」という資料を公開しています。

栽培・流通する品種のすべてを網羅するわけではありませんが、全国のトマト品種の動向を大まかに把握することができる資料です。

そして上の棒グラフは、各大玉トマト品種が「各都道府県において主に栽培される品種」に登場する回数をカウントして図にしたものです。

つまり数字が大きいほど多くの都道府県で主な品種として採用された実績があるということ。

1位から10位までを文字に起こすと、以下の通りです。

1位りんか409サカタのタネ
2位桃太郎ホープタキイ種苗
3位麗容サカタのタネ
4位CF桃太郎はるかタキイ種苗
5位桃太郎セレクトタキイ種苗
5位桃太郎ヨークタキイ種苗
7位みそら64ヴィルモランみかど
7位桃太郎8タキイ種苗
7位桃太郎ピースタキイ種苗
7位麗夏サカタのタネ

このページの中盤では、上位5品種の特性を紹介しています。

大玉トマト品種選びの参考にしてみてください。

大玉トマトはタキイ種苗とサカタのタネの品種が多い

トマト種苗メーカーについての情報
農林水産省 各都道府県において主に栽培されている品種への登場頻度を種苗メーカー別に集計した円グラフ
※種苗メーカーのシェアを表したものではありません

ちなみに、上の円グラフは品種ランキングを種苗メーカー別に集計しなおしたものです。

日本で流通する大玉トマトの多くは、タキイ種苗やサカタのタネが開発した品種のようですね。

※栽培面積や販売金額を考慮した資料ではなく、種苗メーカーのシェアを表したものではありません。

大玉トマト品種に求められる特性とは

さて、品種紹介に移る前に現代のトマト品種に求められる特性を作型別に確認しておきましょう。

まずは夏秋栽培向け品種から。

夏秋栽培向け大玉トマト品種に求められる特性

野菜生産出荷安定法により、夏秋トマトは「七月から十一月までを主な出荷時期として生産されるトマトをいう」と定義づけられています。

品種のカタログ上は、夏秋栽培、あるいは夏秋雨よけ栽培などと表記されます。

夏秋栽培は定植直後と片付け前が寒く、また梅雨時期や台風シーズンを経験するなどシーズンを通して厳しい栽培環境下に置かれることが特徴です。

その夏秋栽培に必要なトマト品種の特徴は以下の通り。

高温に負けない着果性

トマトの花は、開花前に高温にさらされると花粉の働きが弱くなって実つきが悪くなります。

特に夏越しの栽培では着果が収量に直結するため、高温着果性は大変重要な要素です。

比較的単価のよい9月前後に収穫できるトマトが全然ない!ということにならないよう、着果性のよい品種を選びましょう。

強日照や急な温度変化に遭遇しても裂果に強い

トマトの収量を落とすもう一つの要因は、裂果です。

近年は夏の暑さがますます厳しくなっているため、強い光が当たり続けることで裂果しやすい環境になっています。

裂果に強い品種選びが収益を大きく左右するでしょう。

冬春栽培向け大玉トマト品種に求められる特性

つづいては冬春栽培向け品種に求められる特性を確認しましょう。

冬春トマトは「十二月から翌年六月までを主な出荷時期として生産されるトマト」のことを指します。

法律の定義と多少のずれはありますが、カタログ上は概ね抑制栽培、促成栽培、半促成栽培(の一部)がこれに含まれるといってよいでしょう。

求められる特性は以下の通りです。

寒い時期でも品質が低下しない

冬春栽培は真冬の最も寒い時期を経験する作型です。

気温の低下や日照不足によりトマトの栄養バランスが崩れると、小玉果や空洞果といった果実品質の低下が引き起こされます。

寒い時期でも生育やそれに伴う果実品質が安定した品種選びが重要です。

黄化葉巻病への対策

近年、西日本を中心に黄化葉巻病の被害が拡大し、次第に東日本へも広がりを見せています。

黄化葉巻病はコナジラミが媒介するウィルス病ですから、定植初期が高温で虫が多い冬春栽培(特に抑制栽培)では黄化葉巻病感染による収量の低下が大きな問題となっています。

地域にもよりますが、黄化葉巻病耐病性品種を導入する産地が増えています。

プロ向け大玉トマト品種ベスト5をご紹介!

それでは、ここから生産地に選ばれた大玉トマト品種ベスト5をご紹介します。

まずは夏秋栽培向け品種から。

高温期でも着花がよく高秀品率!サカタのタネ「りんか409」

適作型夏秋栽培、抑制栽培
収量性早生で着果がよい。低段の肥大もよく多収
秀品性空洞果、すじ腐れ果が少なく秀品率が高い
果実品質硬玉で棚持ちする。コクがあり食味が良い
省力性節間が詰まるので誘引にかかる労力が少ない
サカタのタネHPを参考に作成

「りんか409」の特徴は、高い着果性にもとづく果実品質の高さです。裂果にも強いとのこと。

夏秋トマトは、梅雨期から盛夏期という気象変化の激しい時期に栽培されるため、生産
安定が課題であったが、近年「りんか 409」(サカタのタネ)が導入され、生産が安定し
てきている。

引用:熊本県農林水産部 農業研究成果情報

また短節間で誘引にかかる労を軽減できるなど、トマト農家さんの悩みを次々と解決!

高い能力で産地の信頼を得ています。

スタミナがあり後半収量が高い!タキイ種苗「桃太郎セレクト」

適作型夏秋栽培
果実品質果重が210~220gと大きい。窓あき果の発生が少なく、秀品率が高い
草勢スタミナが後半まで持続する
収量性低段から着果がよく収量が上がりやすい
タキイ種苗HPを参考に作成

「桃太郎セレクト」の特徴は、収量性とおいしさです。

夏秋栽培は夏越しの作型なので、終盤の秋口になるとトマトの樹がとても疲れてしまいます。

せっかく単価が高いのに、果実が大きくならない、後半の収量が低い… といった悔しい思いをすることも。

そんなとき、「桃太郎セレクト」のスタミナの強さが役に立ちます。

後半まで樹が元気、かつ果実が大きいので最後まで収益を稼ぐことができる品種です。


続いて冬春栽培向け品種をご紹介します。

黄化葉巻病耐病性で大玉率が高い!タキイ種苗「桃太郎ホープ」

適作型促成、半促成、抑制
食味甘みと酸味のバランスがよく、桃太郎系の優れた食味を持つ
果実品質果重220gの大玉になり、硬玉で棚持ちがよい。低温期でも着果・肥大がよい
草勢低温伸長性があり、冬場でも草勢が安定する
草姿節間が詰まりすぎず採光性がよい
耐病性黄化葉巻病ほか
タキイ種苗HPを参考に作成

「桃太郎ホープ」は黄化葉巻耐病性を持つ品種です。

品種に耐病性を乗せる仕事は難しく、耐病性はあってもおいしくない、収量が上がらないといった欠点を抱えることが多くありました。

そんななか、「桃太郎ホープ」は黄化葉巻病耐病性とおいしさ、そして低温期の高い栽培性をあわせ持ちます。

病気で困っている産地にいちはやく投入され、トマト農家さんを助けた救世主的品種と言ってよいでしょう。

サカタのタネ「麗容」

適作型促成栽培、半促成栽培
草勢やや強く、後半までスタミナがある
秀品率窓あき果、空洞果、すじ腐れ果の発生が少ない
果実品質色回りがよく硬玉で棚持ち性がよい
食味コクがありおいしい
収量性着果がよく果実の肥大力があり多収
サカタのタネHPを参考に作成

「麗容」は色の良さと果実の硬さが持ち味の品種です。

サカタのタネが展開する「王様トマト」は、果肉がしっかりしているから完熟収穫できておいしく、店頭に並ぶ間も長持ちするトマトとしてブランドを確立しています。

「麗容」はその中核を担ってきた品種。

生産・流通・消費とみんなにうれしいトマト品種ですね。

タキイ種苗「CF桃太郎はるか」

家庭菜園向けはこちらから!

適作型促成栽培に最適
栽培性低温期でも果実の肥大が安定し、低温伸張性に優れる
果実品質果重220gと果実サイズが大きく、低段から肥大がよい
食味糖度や食味は「桃太郎はるか」と同レベル
タキイ種苗HPを参考に作成

おいしい、収量が上がる、低温期でも栽培しやすいという3拍子揃った冬春向けトマトの定番品種です。

ファン多し!

次世代の有望品種!サカタのタネ「かれん」

品種は時代の流れに合わせてどんどん移り変わっていきます。

ランキングからは分かりにくいですが、2022年現在でもっとも勢いのある大玉トマト品種と言えば「かれん」です。

数年後にはトマト品種ランキングの上位を占めていると思われます。

詳しくはこちらの記事から。

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まとめ:生産、流通、消費の要望に応えた大玉トマト品種が活躍中!

以上、生産地で支持される大玉トマト品種ランキングについてお伝えしてきました。

トマト農家さんのお悩みを解決すべく、多くの品種が活躍していることが分かりましたね。

次はどんな品種が登場するのか、Fieldman Researchでは今後もトマト品種の動向に注目していこうと思います。

それでは!

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